hijiriko’s blog

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いつか使うかも知れない冒頭文 巻島編2

 「カメラ持って行くわ」そう彼女に言うと、「記念写真?」と純粋な声が返って来た。裕介はその清らかな声に眩暈がした。
 

 以前はグラビアを眺めるばかりだった裕介は三日前、一眼レフを購入した。誰を撮ろうかなど、彼には愚問だ。撮るべき被写体はただ一人、    だけなのだから。

 

 勝気に振舞い、夏空のような底抜けに明るい彼女。裕介の前では困り顔で身動ぎし、少女のように恥じらう彼女。過ぎ行く時に泣く彼女。些細な食の恨みを抱えて怒る彼女。寂しげな眼差しで虚無と戯れる彼女。これらが全て一人の女性から生み出されるのだから、女性というのは豊穣の女神だ。多彩な顔を持ち、ファインダー越しに観る者を心酔させる。グラビアの女性達は惜しげもなく己の身を白日の下に晒すが、彼女は溢れんばかりの美しさを持っていながら、決して媚びを売らず肌を頑なに隠している。それでいて尚、裕介の心を震わせる彼女は正しく、女神だった。

 

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夢小説というのは、夢主の設定が身近であればあるほど良いのかも知れません。決して凡庸過ぎず、秀で過ぎず、醜女過ぎず美人過ぎず。でも巻ちゃんは、なんだかとても秀でた、モデルのように美しい女性を連れていそうでどきどきします。そして彼は、なんて性描写が似合うんだろう。

巻ちゃんは2番目に好きなキャラクターです。クールで、周囲に流されない。己が持つ「変なところ」を最大限に生かし、己のスタイルを確立する強さが大変かっこいいですね。