秋の朝と翔少年

　すっかり秋ですね。
　今日は手術をする母に付き添うため、タクシーに飛び乗って病院に来ました。
秋の空は雲が多様に変化するので、眺め飽きません。雲達は寄り添うようにもこもこと集合したり、皆で離れて透明な空を漂ったりするので、なんだか癒されます。秋の朝の冷たい空気とタクシーの冷房とが混ざりあったそれは、心地好い、ひいやりとしたヴェールを纏っている気分にさせてくれました。私にだけ見えるヴェールです。

　さて、先刻、手術室に入る母を見送りました。そろそろ朝御飯を買いに行きます。手術が終わるまでの間に食事を済ませなければ。今日は長い一日になりそうです。パンを買って、御堂筋少年の憂いと幸福に思いを馳せながら、食べたいと思います。では、行って参ります。